困ったときの相談窓口|症状は医療機関、契約は188、運営は保健所
トラブルが起きたときに困るのは、「どこに言えばいいのか分からない」ことです。クリニックに言っても取り合ってもらえない、消費生活センターに電話したら医療の話は管轄外と言われた——そういう行き違いは、窓口が内容ごとに分かれているために起こります。
内容を4つに分けて整理します。
① 体に症状が出た → まず医療機関
やけど、水疱、強い痛み、腫れ、色素沈着、毛のう炎など。これは最優先で医療機関です。
順番はこうです。
- 施術を受けた医療機関に申し出る。 経過を診てもらい、必要なら治療を受けます
- 対応に納得できない、または症状が強いなら、別の医療機関を受診する。 やけどは早期の治療が重要です
2番目をためらう必要はありません。国民生活センターの調査では、脱毛で危害が発生して治療を受けた相談122件のうち、45.9%が施術を受けた医療機関とは別の医療機関を受診していました。資料は、その中には施術した医療機関の対応や治療に不満や不信感を抱いて他院を受診したという内容が多数みられた、としています。
つまり「別の医療機関にかかる」は例外的な行動ではありません。詳しくは医療脱毛のやけどへ。
② 契約・返金・解約 → 消費者ホットライン188
コースの解約、返金、勧誘の問題、事業者の倒産。これは医療の話ではなく契約の話なので、消費生活センターが窓口です。
消費者ホットライン「188(いやや)」——お住まいの市区町村や都道府県の消費生活センター等を案内する全国共通の3桁番号です。
相談できるのは、たとえば次のような内容です。
- 1か月超・5万円超の契約のクーリング・オフ、中途解約 → 契約トラブルと相談先
- 「今日だけ」「後で解約できる」と言われて契約した
- 分割払いの説明が実際と違った → 分割払いと医療ローン
- 事業者が倒産して施術を受けられない → 一括前払いと倒産リスク
契約前でも相談できます。 迷っている段階で電話しても構いません。
なお、解約は契約当事者本人から申し出る必要があります。国民生活センターには親からの「親が代わりに解約できるか」という相談も寄せられていますが、本人が動く必要があるという点は変えられません。
③ 医療機関の運営・医療そのものへの不安 → 医療安全支援センター/保健所
「説明が一切なかった」「医師の診察がないまま施術された」「広告の内容が明らかにおかしい」——これは契約の問題というより、医療機関の運営の問題です。
窓口は2つあります。
医療安全支援センター…医療機関で受けた医療に関する相談を受ける窓口です。国民生活センターも、医療機関で受けた脱毛について心配がある場合はここに相談できるとしています。各都道府県・保健所設置市・特別区に設置されています。
保健所…医療機関への指導監督を担当します。国民生活センターは、エステで医行為の疑いがある施術を受けた場合や広告に問題があると思われた場合は、最寄りの保健所等へも情報提供するとよいとしています。
2025年8月の厚生労働省の通知は、都道府県等に対して立入検査・改善命令・業務停止・開設許可の取消し・警察等への相談や告発・消費生活センターとの連携を求めています。つまり寄せられた情報が実際の監視につながる道があるということです → 2025年の美容医療通知
④ 薬の副作用による健康被害 → PMDA
AGA治療薬など、医薬品の副作用で健康被害が生じた場合の窓口です。
医薬品副作用被害救済制度は、医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による健康被害に対し、医療費等の給付を行う公的制度です。請求は、健康被害を受けた本人(または遺族)等が必要書類をPMDAに送付する形で行います。
ただし国内未承認薬や個人輸入した医薬品による健康被害は対象外です。厚生労働省も「個人輸入された医薬品による健康被害については救済対象となりません」と明記しています。
制度の中身は医薬品副作用被害救済制度、個人輸入の論点は個人輸入のリスクにまとめました。
一覧にすると
| 何が起きたか | どこへ |
|---|---|
| やけど・腫れ・痛みなど体の症状 | 施術先の医療機関 → 納得できなければ別の医療機関 |
| 契約・返金・解約・勧誘・倒産 | 消費者ホットライン 188 |
| 医療機関の運営・説明のなさ・広告の問題 | 医療安全支援センター/保健所 |
| 医薬品の副作用による健康被害 | PMDA(医薬品副作用被害救済制度) |
重複して相談して構いません。 やけどが起きて返金も求めたいなら、医療機関と188の両方です。
連絡する前に用意しておくもの
窓口が決まっても、手元に何もないと話が進みません。次を揃えてから連絡してください。
- 契約書面(クーリング・オフも中途解約も、ここが出発点です)
- 領収書・支払明細(分割払いなら回数と手数料が分かるもの)
- 施術日の記録(何回目の照射で、いつ何が起きたか)
- 症状の写真(開始前と現在。同じ角度・同じ明るさで)
- やり取りの記録(メール、アプリのメッセージ、言われた内容と日時のメモ)
写真は特に効きます。硬毛化や打ち漏れの申告でも、経過の説明がそのまま可能になります → 硬毛化・増毛化/打ち漏れと再照射
そもそも起こしにくくするために
窓口の話をしておいて何ですが、使わずに済むほうがいいのは間違いありません。
- 契約前にトラブル時の対応(診察・薬・保証)を確認しておく → クリニックの選び方
- その場で契約しない → カウンセリングで確認すること
- 契約書面を必ず保管する
この3つで、上の窓口に電話する確率はかなり下がります。
施術のリスクと副作用
ヒゲ脱毛もAGA治療も自由診療で、公的医療保険は適用されず全額自己負担です。
医療脱毛では、やけど・硬毛化・色素沈着などのリスクと、照射時の痛み・赤み・毛のう炎などの副作用があります。AGA治療は中止すると効果が消失し、フィナステリドはPSA値を低下させ、20歳未満に対する国内での安全性が確立していません。国内未承認薬を使用した場合は医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
症状の程度や頻度には個人差があります。受けられるかどうかは、必ず医師の診察を受けたうえで判断してください。
まとめ
- 体の症状は医療機関へ。納得できなければ別の医療機関にかかってよい
- 契約・返金・解約・倒産は消費者ホットライン188。契約前でも相談できる
- 医療機関の運営や説明のなさ、広告の問題は医療安全支援センター/保健所
- 薬の副作用による健康被害はPMDA。ただし未承認薬・個人輸入は対象外
- 重複して相談してよい。連絡前に契約書面・領収書・施術記録・写真を揃える
出典
- 国民生活センター「なくならない脱毛施術による危害」2017年5月11日(2026-08-26確認)
- 厚生労働省「美容医療に関する取扱いについて」令和7年8月15日 医政発0815第21号(2026-08-26確認)
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「医薬品副作用被害救済制度に関する業務」(2026-08-26確認)
- 消費者庁「特定継続的役務提供」特定商取引法ガイド(2026-08-26確認)
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