「◯円〜」だけでは要件を満たしていない|ヒゲ脱毛の料金ページを自分で判定する
ヒゲ脱毛の料金ページで最もよく見る形が、「6回 ◯◯,◯◯◯円〜」です。
この「〜」に何が入るのかは、たいてい書かれていません。麻酔代、剃り残しの剃毛料、キャンセル料、コース終了後の追加照射。総額を出そうとすると、そこで止まります。
厚生労働省の事例解説書を読むと、この形は限定解除の要件を満たしていないとされていることがわかります。読み手にとっては、料金ページを自分で判定する基準になります。
自由診療のページに必要な5つ
自由診療の詳しい情報を載せるには、限定解除の要件を満たす必要があります。そのうち中身に関わるのが次の5つです。
- 問い合わせ先(電話番号、メールアドレス等)
- 通常必要とされる治療内容
- 治療期間及び回数
- 標準的な費用
- 主なリスク、副作用等
要件そのものの説明は美容クリニックの広告の読み方にあります。ここでは、どういう書き方だと足りないと判定されるかを見ます。
費用:足りない4パターン
事例解説書が「要件を満たしていない」として挙げているものです。
① 費用が書かれていない
料金は患者様の状態により異なります
② 最低金額だけ
インプラント手術 150,000円~
これが「◯円〜」です。 資料の解説は「最低金額のみが記載されている」。ヒゲ脱毛の料金ページの多くが、この形です。
ガイドライン本体は、こう求めています。
標準的な費用が明確でない場合には、通常必要とされる治療の最低金額から最高金額(発生頻度の高い追加費用を含む。)までの範囲を示すなどして可能な限り分かりやすく示すこと
「発生頻度の高い追加費用を含む」——ここが重要です。ヒゲ脱毛でいえば、麻酔代がこれに当たります。多くの人が使うなら、それは頻度の高い追加費用です。
③ 範囲の料金表はあるが、別の場所に最低価格だけ切り出している
同じページに最低〜最高の内訳表があっても、別の場所に「150,000円〜」とだけ書くのは不可とされています。
トップページやキャンペーン欄に「◯円〜」だけを出す形が、ここに当たります。
④ 追加費用が小さな文字で、金額の明示がない
※別途検査・診断料金が必要になります
※施術範囲により金額が異なる可能性があります
解説は「別途発生する費用が小さな文字で記載されており、具体的な金額の明示もない」。
「別途」と書けば済む、ではありません。 いくらかを書く必要があります。
期間・回数:足りない3パターン
同じ資料から、こちらも3つです。
| 書き方 | 判定 |
|---|---|
| 「治療期間は患者様の状態により異なります」 | 記載されていない |
| 「治療期間:1か月〜 治療回数:2回〜」 | 最低限しか記載されていない |
| 「治療期間:3-6か月」だけ | 回数がない |
3つ目に注意してください。期間と回数は両方必要です。ヒゲ脱毛の場合、期間だけ書かれていても、何回照射するのかがわからなければ比べられません → ヒゲ脱毛は何回で終わるのか/ヒゲ脱毛は何年かかるのか
リスク:足りない3パターン
こちらも具体的です。
① リスクが書かれていない
資料の例では、リスク欄に「治療費が高額」とだけ書かれています。費用の話はリスクではありません。
② 質問の形で、実質書いていない
Q:この治療にはどのようなリスクがありますか?
A:手術中は麻酔が効いていますので、心配ありません。
術後の痛みはありますが2~3日でひきます。
それ以上に、他の方法にはないメリットがあります。
解説は「主なリスク、副作用等が十分に記載されていない」。質問には答えているのに、要件は満たしていないという判定です。
③ 長所より極端に小さい文字
メリットを大きく並べ、デメリットを小さな文字で下に添える形。ガイドライン本体も、リンク先のページに逃がしたり、利点と比べて極端に小さな文字で載せたりしてはならないと明記しています。
ヒゲ脱毛の料金ページで見る順番
以上を、実際の手順に直します。
- 回数と期間が両方書かれているか
- 費用に上限があるか(「〜」で終わっていないか)
- 麻酔代の金額が書かれているか(頻度の高い追加費用です)
- 剃毛料、キャンセル料、コース終了後の追加照射の金額
- リスクと副作用が、料金と同じくらいの文字で書かれているか
- 問い合わせ先が明示されているか
2と3が埋まらなければ、総額は出せません。 その状態で契約日を決める必要はありません。
総額の出し方はヒゲ脱毛の料金、支払い方の比較は都度払いとコース契約、分割にする場合は分割払いと医療ローンへ。
「書いていないこと」を聞く
カウンセリングでは、料金ページで埋まらなかった欄をそのまま質問にします。
- 「このプランの上限額はいくらですか」
- 「麻酔は1回いくらですか。使う人はどのくらいいますか」
- 「剃り残しがあった場合の追加料金はいくらですか」
- 「コースが終わっても残った場合、1回いくらで追加できますか」
答えを聞いたら、その場で契約せず持ち帰って計算する——これが実務です。聞くことの一覧はカウンセリングで確認することにまとめました。
なお当サイトが掲載しているクリニックの料金は、公式サイトで確認した日付を各ページに書いています。方針は編集ポリシーへ。
施術のリスクと副作用
ヒゲ脱毛を含む医療脱毛は自由診療で、公的医療保険は適用されず全額自己負担です。
主なリスク
- 「◯円〜」の表示は下限のみで、麻酔代などの追加費用が含まれていないことがあります
- コース回数を終えても毛が残り、追加照射の費用が発生することがあります
- 一度破壊された毛根は元に戻せません
- 日焼けした肌や色素の濃い部位では、やけどが生じるリスクが高まります
- 硬毛化・増毛化が起こることがあります
- 回数を重ねても、毛が完全になくなることが保証されるものではありません
主な副作用
- 照射時の痛み
- 照射直後の赤み・ほてり・むくみ
- 毛のう炎
- 施術部位の乾燥・かゆみ
症状の程度や頻度には個人差があります。実際に受けられるかどうかは、医師の診察を受けたうえで判断してください。
まとめ
- 自由診療のページには、問い合わせ先・治療内容・期間及び回数・標準的な費用・主なリスクが要る
- 「◯円〜」の最低金額のみの表示は、要件を満たしていないと判定される
- 求められているのは最低金額から最高金額までの範囲で、発生頻度の高い追加費用を含む
- 別の場所に最低価格だけを切り出して載せる形も不可
- 「※別途費用が必要」だけで金額を書かないのも不可
- 期間と回数は両方必要。期間だけでは足りない
- リスクを質問形式ではぐらかす、長所より小さい文字で書くのも要件を満たさない
出典
- 厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)」令和8年3月(2026-09-05確認)
- 厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」令和8年3月30日最終改正(2026-09-05確認)
この記事の作られ方
この記事は医師の監修を受けていません。医療行為の推奨ではなく、厚生労働省・消費者庁・国民生活センター・学会の診療ガイドライン、 および各クリニックが公表している情報を整理したものです。
記載の根拠は記事末の出典に、確認日とあわせて示しています。 効果・副作用・適応の判断は個人差が大きく、記事の情報で代替できるものではありません。 治療の可否は必ず医師の診察を受けたうえで判断してください。
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