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ヒゲ脱毛の「無制限」「し放題」をどう読むか|嘘でなくても誇大広告になる

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編集: メンズ美容ノート編集部編集方針広告掲載ポリシー

ヒゲ脱毛のプランには、「回数無制限」「◯年間し放題」という形式があります。回数を気にしなくてよいなら安心に見えます。

厚生労働省の事例解説書に、この表記そのものが誇大広告の例として載っています。しかも挙げられている事例は脱毛のページです。

誇大広告は、嘘である必要がない

まず前提を押さえます。ガイドラインの誇大広告の定義は、少し独特です。

必ずしも虚偽ではないが、提供する医療の内容等について、事実を不当に誇張して表現していたり、人を誤認させる広告

そして「人を誤認させる」の中身が、そのまま書かれています。

一般人が広告内容から認識する「印象」や「期待感」と実際の内容に相違があるもの

書かれていることが嘘かどうかではありません。 読んだ人が受け取る印象と、実際に起きることがずれていれば該当します。

脱毛の「し放題」が例に挙がっている

事例解説書に載っている違反例です。

全身脱毛3年間し放題
全身脱毛 回数無制限プラン 月額 9,000円(税抜き)

解説はこうです。

実際には毛周期等の関係で回数は限られるが、「無制限」「し放題」「回数制限なく」の表記によって誤認を与える可能性がある

「無制限」と書いてあっても、実際には無制限には受けられない。 その理由が毛周期です。

なぜ回数が限られるのか

レーザーが反応するのは、成長期の毛です。同じ場所の毛が全部そろって成長期になることはないので、一度の照射で処理できるのは一部だけになります。

そのため、次の照射までは間隔をあける必要があります。照射から次の照射まで数週間から数か月です。

ここから計算が効いてきます。

契約期間 3年
照射間隔 仮に2か月
物理的に受けられる回数 18回程度が上限

期間が決まっている以上、回数には自然な上限があります。 「無制限」という言葉が指しているのは、上限のない回数ではなく、期間内なら追加料金がかからないということです。

ヒゲはさらに条件が厳しくなります。ヒゲは体の他の部位より毛が太く密度が高いため、必要な回数が多くなりやすい分野です → ヒゲ脱毛は何回で終わるのかヒゲ脱毛は何年かかるのか

契約の側にも、別のずれがある

広告の話とは別に、契約の側にもずれがあります。国民生活センターが指摘しているものです。

「3年通い放題」と説明されていても、契約上は期間全体が有償になっているとは限りません。有償の役務提供期間が1年だけ、というケースが報告されています。そして有償の期間が終わると、中途解約を申し出られなくなります

詳しくは「通い放題」「永久保証」の落とし穴にまとめました。

つまり「無制限」という言葉のまわりには、2つの制限が隠れています。

  1. 物理的な制限 … 毛周期があるので期間内に受けられる回数には上限がある
  2. 契約上の制限 … 有償提供部分が終わると解約を申し出られなくなる

「最適」「最先端」も同じ枠

同じ事例解説書の同じ項目に、もう2つの脱毛ページの例が載っています。

○○クリニックでは、患者様のお悩みに沿った、最適な治療を提供します。

解説は「自院が提供する医療全般において、最適・最先端である旨を記載している」。

「最適」「最先端」は、比較の相手が示されないまま優位を主張する言葉です。何と比べて最適なのかが書かれていないため、印象だけが残ります。最上級表現の扱いは「満足度99%」「症例10万件」の読み方へ。

「期待感」で見ると、他にもある

この「印象・期待感とのずれ」という物差しは、他の表示にも使えます。事例解説書が挙げているものです。

  • 「1日で全ての治療が終了します」(実際には定期的な処置が必要な場合)→ こちらは虚偽広告として扱われます
  • オンライン診療で「すぐに医薬品のお受け取りが可能!」(医師の判断で処方できない場合があるのに)→ 誇大広告。資料は「医師の判断によりお薬を処方できない場合があります」を最低限記載する必要があるとしています → AGAのオンライン診療

共通しているのは、例外や条件が省かれていることです。

カウンセリングで確認する4点

「無制限」「し放題」のプランを検討するなら、聞くのはここです。

  1. 有償の役務提供期間は何年か(広告の「◯年し放題」とは別の数字です)
  2. 有償の回数は何回か
  3. 照射の最短間隔は何週間か(期間内に何回受けられるかが決まります)
  4. 中途解約の申出ができるのはいつまでか

3番目を聞くと、「無制限」の実質的な上限が見えます。期間 ÷ 最短間隔が、受けられる回数の上限です。

回数が明示されたコースのほうが、この点では比較しやすくなります。範囲の揃え方はヒゲの「3部位」は院ごとに違う、支払い方の比較は都度払いとコース契約へ。

施術のリスクと副作用

ヒゲ脱毛を含む医療脱毛は自由診療で、公的医療保険は適用されず全額自己負担です。

主なリスク

  • 「無制限」「し放題」でも、毛周期の関係で期間内に受けられる回数には上限があります
  • 契約上の有償提供部分が終わると、中途解約を申し出られなくなります
  • 一度破壊された毛根は元に戻せません
  • 日焼けした肌や色素の濃い部位では、やけどが生じるリスクが高まります
  • 硬毛化・増毛化が起こることがあります
  • 回数を重ねても、毛が完全になくなることが保証されるものではありません

主な副作用

  • 照射時の痛み
  • 照射直後の赤み・ほてり・むくみ
  • 毛のう炎
  • 施術部位の乾燥・かゆみ

症状の程度や頻度には個人差があります。実際に受けられるかどうかは、医師の診察を受けたうえで判断してください。

まとめ

  • 誇大広告は嘘である必要がなく、印象・期待感と実際にずれがあれば該当する
  • 事例解説書は、脱毛の「無制限」「し放題」「回数制限なく」を誇大広告の例として挙げている
  • 理由は毛周期。期間が決まっていれば、受けられる回数には自然な上限がある
  • 「無制限」が意味しているのは、期間内に追加料金がかからないということ
  • 契約の側にも別の制限がある。有償提供部分が終わると解約を申し出られない
  • 「最適」「最先端」も、比較の相手を示さない優位の主張として同じ枠に入る
  • 確認するのは、有償の期間・有償の回数・照射の最短間隔・解約申出の期限

出典

  1. 厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)」令和8年3月2026-09-05確認)
  2. 厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」令和8年3月30日最終改正2026-09-05確認)

この記事の作られ方

この記事は医師の監修を受けていません。医療行為の推奨ではなく、厚生労働省・消費者庁・国民生活センター・学会の診療ガイドライン、 および各クリニックが公表している情報を整理したものです。

記載の根拠は記事末の出典に、確認日とあわせて示しています。 効果・副作用・適応の判断は個人差が大きく、記事の情報で代替できるものではありません。 治療の可否は必ず医師の診察を受けたうえで判断してください。

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