「通い放題」「永久保証」の落とし穴|解約できる期間は思ったより短い
「回数無制限」「通い放題」「永久保証」——回数を気にせず通えるなら安心に見えます。
しかしこの形式には、中途解約のときにだけ表に出てくる仕組みがあります。国民生活センターが2021年に注意喚起を出しており、当サイトが「中途解約には法定の上限がある」としか書けていなかった部分を、ここで具体的に埋めます。
何が起きているか
資料のタイトルがそのまま実態です。
「途中でやめたら返金なし!?」「解約したのに支払いは続く…」
報告されている例として、永久保証のコースで1回しか施術を受けていないのに10万円の解約金を請求されたケースが挙げられています。
なお同資料は、脱毛エステの相談が年間2,800件を超えており、近年は男性がひげ脱毛等に通いトラブルとなるケースも増加しているとしています。
仕組み:有償部分と無償部分に分かれている
核心はここです。
「3年通い放題」と説明されたコースでも、契約書の上では期間全体が有償になっているとは限りません。
資料が挙げている例です。
- 「施術有効期間3年間」のはずが、有償の役務提供期間は1年だった
- 有償の回数は1回だけと言われた
- 3年通い放題で30万円の契約をしたつもりが、実際は期間1年・回数6回で30万円の契約だった
つまり——
| 消費者の認識 | 契約上の扱い | |
|---|---|---|
| 通える期間 | 3年 | 3年(うち有償1年 + 無償2年) |
| 解約できる期間 | 3年間ずっと | 有償の1年が終わるまで |
有償の期間または回数が終わった時点で、中途解約の申出ができなくなります。 資料も、「中途解約はできない」「返金はない」と言われた事例の多くは、事業者が設定した有償の期間または回数のいずれかが終了した後に申し出たケースだ、としています。
「通い放題がお得です」と強調される一方で、実際の契約内容が十分に認識されていない——これが資料の指摘です。
中途解約で支払う額の上限
ここは正確に書きます。特定商取引法に基づくエステティックの中途解約では、支払う額に上限が定められています。
| 解約の時点 | 支払う額の上限 |
|---|---|
| 役務提供開始前 | 2万円 |
| 役務提供開始後 | すでに提供された役務の対価 + 2万円または契約残額×10%のいずれか低い額 |
「すでに提供された役務の対価」は有償提供部分にかかる期間・回数が対象で、原則として無償提供部分には発生しないものとされています。
なお、役務提供開始時に発生する初期費用(入会諸手続料、カルテ作成料、事務手数料など)を請求する特約が定められている場合もあります。役務提供開始前の初期費用は「契約の締結及び履行のために通常要する費用」として、エステティックでは2万円の上限額の範囲内で請求されることになります。
「10万円の解約金」という請求が、この枠に収まっているのか——それを確認するのが実務です。判断に迷ったら188へ。
もうひとつのギャップ
資料は、脱毛のために通う標準的な期間・回数と、契約上の有償提供部分の期間・回数にもギャップがあると指摘しています。
脱毛は毛周期に合わせて間隔をあけて通うため、時間がかかります。5回でも1年前後、毛をほとんど残さない状態を目指せば2〜3年です → ヒゲ脱毛は何年かかるのか
「有償部分が1年」の契約で、標準的には2年以上かかる施術を受ける。 この構造だと、効果を実感する前に解約できる期間が終わっている、ということが起こりえます。
契約前に確認する4点
「通い放題」という言葉で判断せず、契約書面の中身を見てください。
- 有償の役務提供期間は何年か(広告の「通い放題◯年」とは別の数字です)
- 有償の回数は何回か
- 中途解約の申出ができるのはいつまでか
- 解約時の精算方法(契約書面に記載されているはずです)
1と3を聞いて即答できないなら、その場で契約しない理由になります。
回数が明示されたコースのほうが、この点では比較しやすくなります。範囲の揃え方はヒゲの「3部位」は院ごとに違う、都度払いとの比較は都度払いとコース契約へ。
「無制限」に見える言葉のバリエーション
資料が挙げているのは次の表現です。
- 通い放題
- ◯年間脱毛し放題
- 期間・回数無制限
- 永久保証
- △年施術保証
言い方は違っても、確認すべきは同じ「有償部分はどこまでか」です。
解約するとき
- 契約書面を用意する(有償期間・回数・精算方法の記載を探す)
- 書面受領から8日以内ならクーリング・オフ → クーリング・オフの書き方
- 8日を過ぎていても中途解約を申し出る(有償期間内であれば)
- 請求額が上限を超えていないか確認する
- 納得できなければ188へ
分割払いを組んでいる場合は、信販会社にも通知が必要です。施術は解約できたのに支払いだけ続く、という事態を避けるためです → 分割払いと医療ローン
事業者が倒産した場合は別の枠組みになります → 一括前払いと倒産リスク
施術のリスクと副作用
ヒゲ脱毛を含む医療脱毛は自由診療で、公的医療保険は適用されず全額自己負担です。
主なリスク
- 「通い放題」でも、中途解約を申し出られる期間は有償提供部分に限られます
- 標準的に必要な期間より有償提供部分が短い契約では、効果を確かめる前に解約可能期間が終わることがあります
- 一度破壊された毛根は元に戻せません
- 日焼けした肌や色素の濃い部位では、やけどが生じるリスクが高まります
- 硬毛化・増毛化が起こることがあります
- 回数を重ねても、毛が完全になくなることが保証されるものではありません
主な副作用
- 照射時の痛み
- 照射直後の赤み・ほてり・むくみ
- 毛のう炎
- 施術部位の乾燥・かゆみ
症状の程度や頻度には個人差があります。実際に受けられるかどうかは、医師の診察を受けたうえで判断してください。
まとめ
- 「通い放題」の期間と、契約上の有償提供部分の期間はずれていることがある
- 中途解約を申し出られるのは、有償の期間または回数が終わるまで
- 永久保証で1回しか施術していないのに10万円の解約金を請求された事例がある
- 支払う額の上限は、開始前は2万円、開始後は提供済みの対価+2万円または残額×10%の低い方
- 脱毛に標準的に必要な期間より有償部分が短いと、確かめる前に解約期間が終わる
- 確認するのは「有償の期間は何年か」「有償の回数は何回か」「解約申出はいつまでか」
出典
- 国民生活センター「脱毛エステの通い放題コースなどでの中途解約・精算トラブルに注意!」2021年12月23日(2026-09-05確認)
- 消費者庁「特定継続的役務提供」特定商取引法ガイド(2026-09-05確認)
この記事の作られ方
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