クーリング・オフの書き方|消費者庁の記載例どおりに、6項目を書くだけ
契約したその日の夜に「やっぱり高すぎた」と思う——これはよくあることです。そして、制度はそのためにあります。
手続きは想像よりずっと簡単です。この記事では、消費者庁が示している記載例をそのまま使って、何をどう書けばいいかを説明します。
まず、自分の契約が対象か
クーリング・オフができるのは、対象の取引に限られます。脱毛・美容医療で関係するのは特定継続的役務提供です。
条件は2つ。
- 期間が1か月を超える
- 金額が5万円を超える
医療脱毛のコース契約は、たいていこれに当てはまります。エステの脱毛も同じ枠組みです。
一方、都度払いや、期間・金額が上の条件に届かない契約は対象外になります。この違いは都度払いとコース契約で扱いました。
期間は「書面を受け取った日から8日以内」
起算点は契約日ではなく、正しく記載された書面(申込書面または契約書面)を受け取った日です。消費者庁のリーフレットは、この点にはっきり注記しています。
書面に不備がある場合、正しく記載された書面を受け取ったとはいえません。
つまり、書面に不備があれば8日は始まっていない可能性があります。「もう8日過ぎたので無理です」と言われても、その場で諦める必要はありません。判断に迷ったら188に相談してください。
通知はメールでもできる
これは知られていない点です。消費者庁のリーフレットは明記しています。
クーリング・オフの通知は、電磁的記録でも可能です。
代表的な例として電子メールのほか、USBメモリ等の記録媒体による通知が挙げられており、FAXを用いることも可能とされています。
「内容証明郵便でないと無効」ということはありません。ただし記録が残る形にすることが重要です。
書く内容は6項目だけ
消費者庁が示している契約解除通知書の記載例は、次の内容です。
契約解除通知書
契約(申込)年月日 ○○年○月○日
販売会社 ○○会社
担当者名 ○○ ○○
商品名 ○○○○一式
契約金額 ○○○,○○○円
上記の契約を解除いたします。
○○年○月○日
住所 ○○県○○市○○○○
氏名 ○○ ○○
これだけです。 理由を書く必要はありません。「無条件で解約できます」というのがこの制度の趣旨なので、納得してもらう文章を考える必要もありません。
脱毛の契約なら「商品名」の欄にコース名(例:ヒゲ脱毛3部位5回コース)を書きます。金額は契約書面に書かれている総額をそのまま写します。
ハガキで出す場合の注意
リーフレットは、送り方についても具体的に指示しています。
ハガキを出す前に両面をコピーし、出すときは簡易書留や特定記録などで記録(控え)が残るようにしましょう。
① 出す前に両面をコピーする ② 簡易書留か特定記録で送る ③ コピーと控えを保管する
3点セットです。メールで送る場合も同じ発想で、送信済みメールを消さない、可能ならスクリーンショットも残す、という扱いにしてください。
クレジット(分割払い)を組んでいる場合
ここを落とすと、施術は解約できたのに支払いだけ続くという事態になります。
消費者庁のリーフレットの記載例にも、通知の相手として販売業者のほかにクレジット契約者(信販会社)が示されています。つまり両方に通知するのが基本です。
分割払いの読み方は分割払いと医療ローンにまとめました。国民生活センターの資料には、「信販会社からハガキが届いたときに解約すれば費用が掛からず解約できる」と説明されて契約したが、実際にはクーリング・オフ期間が過ぎていた、という20歳代男性の相談事例もあります。相手の説明を鵜呑みにせず、自分で期間を数えてください。
8日を過ぎていたら
終わりではありません。中途解約が使えます。
特定継続的役務提供に該当する契約なら、クーリング・オフ期間を過ぎても期間中はいつでも解約でき、事業者が請求できる額には法定の上限があります。
したがって、契約後の選択肢は次のように並びます。
| 状況 | 使えるもの |
|---|---|
| 書面受領から8日以内 | クーリング・オフ(無条件・全額) |
| 8日超、期間中 | 中途解約(請求額に法定の上限あり) |
| 事業者が倒産 | 破産手続き/支払停止の抗弁 → 一括前払いと倒産リスク |
手続き全体の流れは契約トラブルと相談先に整理しています。
迷ったら先に188
書き方で迷って日数を消費するのが、いちばんもったいない失敗です。
消費者ホットライン188は、お住まいの消費生活センター等を案内する全国共通の3桁番号です。契約書面を手元に置いて電話すれば、対象かどうか、期間内かどうか、どこに何を送るかまで一緒に確認できます。
国民生活センターの資料には、親からの「親が代わりに解約できるか」という相談も寄せられていますが、解約する場合には契約当事者本人から申し出る必要があるとされています。18歳・19歳の方は18歳からの美容医療契約もあわせてご覧ください。
そもそも使わずに済ませる
制度があるからといって、当日契約していい理由にはなりません。国民生活センターは、強引に契約を迫られたりせかされたりしてもきっぱりと断るよう呼びかけています。
- その場で契約しない → カウンセリングで確認すること
- 持ち帰って同じ条件で比べる → クリニックの選び方
一晩置いて損をすることは、まずありません。
施術のリスクと副作用
ヒゲ脱毛もAGA治療も自由診療で、公的医療保険は適用されず全額自己負担です。
医療脱毛では、やけど・硬毛化・色素沈着などのリスクと、照射時の痛み・赤み・毛のう炎などの副作用があります。AGA治療は中止すると効果が消失し、フィナステリドはPSA値を低下させ、20歳未満に対する国内での安全性が確立していません。国内未承認薬を使用した場合は医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
症状の程度や頻度には個人差があります。受けられるかどうかは、必ず医師の診察を受けたうえで判断してください。
まとめ
- 対象は特定継続的役務提供(期間1か月超・金額5万円超)。コース契約はたいてい当てはまる
- 起算点は契約日ではなく、正しく記載された書面を受け取った日。書面に不備があれば8日は始まっていない
- 通知は電磁的記録(メール等)やFAXでも可能。内容証明でなくてよい
- 書くのは6項目だけ。理由を書く必要はない
- ハガキは両面コピーを取り、簡易書留か特定記録で送る
- クレジットを組んでいるなら、販売業者と信販会社の両方に通知する
- 8日を過ぎても中途解約が使える。請求額には法定の上限がある
出典
- 消費者庁「クーリング・オフ(一定期間は無条件で解約できます)」リーフレット(2026-09-05確認)
- 消費者庁「特定継続的役務提供」特定商取引法ガイド(2026-09-05確認)
- 国民生活センター「【若者向け注意喚起シリーズ】男性も増加!脱毛エステのトラブル」令和4年7月21日(2026-09-05確認)
この記事の作られ方
この記事は医師の監修を受けていません。医療行為の推奨ではなく、厚生労働省・消費者庁・国民生活センター・学会の診療ガイドライン、 および各クリニックが公表している情報を整理したものです。
記載の根拠は記事末の出典に、確認日とあわせて示しています。 効果・副作用・適応の判断は個人差が大きく、記事の情報で代替できるものではありません。 治療の可否は必ず医師の診察を受けたうえで判断してください。
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