その脱毛機は国内で承認されているのか|診療指針が挙げる承認機種と、確認の仕方
クリニックのサイトには、脱毛機の名前が誇らしげに書かれています。しかしそれが国内で承認された医療機器なのかどうかは、たいてい書かれていません。
美容医療診療指針は、この点について珍しく踏み込んでいます。承認機種を実名で並べているのです。
指針が挙げている承認機種
2021年10月現在、厚労省において脱毛器として認可されている機種は——
| 機種名 | 方式 | メーカー |
|---|---|---|
| GentleLase Pro | アレキサンドライト | Candela |
| GentleMAX Pro | アレキサンドライト+Nd:YAG | Candela |
| GentleYAG Pro | Nd:YAG | Candela |
| Elite+ | アレキサンドライト+Nd:YAG | Cynosure |
| Forma α | ダイオード | JMEC |
| LightSheer Duet | ダイオード | ルミナス |
| MEDIOSTAR NEXT PRO | ダイオード | メディカルユーアンドエイ |
| excelHR システム | アレキサンドライト+Nd:YAG | キュテラ |
指針はこう締めています。
いずれもアレキサンドライトレーザー、ダイオードレーザー、Nd:YAGレーザーである
承認されている方式は、この3つに収まっているということです。各方式の推奨度は脱毛の機械は何が違うのかにまとめました。
「載っていない=未承認」ではない
ここは誤読しやすいので、はっきり書きます。
この一覧は2021年10月時点のものです。その後に承認された機種は当然あります。指針自身も、2022年1月にアレキサンドライトとNd:YAGを同時に発振する装置が日本で上市される予定だと書いています。
リストにない機種を見つけても、それだけでは何も言えません。 確かめるべきは名前の一致ではなく、承認を受けているかどうかそのものです。
承認の有無を確かめる
未承認の医療機器を使う場合、クリニックには明示する義務があります。医療広告等ガイドラインは、承認等されていない医薬品・医療機器を自由診療で使う場合、限定解除の要件として次の5点の記載を求めています。
- 未承認医薬品等であること
- 入手経路等(個人輸入なら、その旨と厚生労働省の注意喚起ページ)
- 国内の承認医薬品等の有無
- 諸外国における安全性等
- 医薬品副作用被害救済制度の対象にならないこと
要件の詳細は美容クリニックの広告の読み方へ。
つまり実務としては、こうなります。
- 公式サイトに「本施術は国内未承認の医療機器を用います」といった記載があるかを探す
- 無ければ、承認機器を使っている前提と読める(記載義務があるため)
- 不安なら、カウンセリングで機種名と承認の有無を聞く
当サイトが掲載している院の多くはジェントルマックスプロ/ジェントルヤグプロを挙げており、これらは上の一覧に載っている系統です → クリニック一覧
承認されていても、保険は効かない
混同されやすい2つを分けておきます。
| 意味 | |
|---|---|
| 薬事承認 | 品質・有効性・安全性について国の審査を通っていること |
| 保険適用 | 公的医療保険で費用の一部が賄われること |
医療脱毛は、承認機器を使っていても自由診療です。 全額自己負担になります。同じ構図はワキ汗の治療にもあり、マイクロ波治療は国内承認機器があっても保険適用外です。
サロンの機械は何なのか
指針には、もう1つはっきりした記述があります。
エステティックサロンやホームユースの美容機器として販売されている商品はほとんどがこのIPLである
IPLは、メラニンに吸収を持つ複数の波長を組み合わせた光源です。波長も600〜1200nmとブロードバンドで、レーザーのように単一波長ではありません。
医療脱毛とサロンの法的な線引きは医療脱毛とサロン脱毛の違い、自分で照射する機器の話は家庭用脱毛器・セルフ脱毛にまとめています。
「脱毛」ではなく「減毛」
指針の用語についての注記が、この分野の性質を端的に表しています。
なお欧米では脱毛(hair removal)ではなく減毛(hair reduction)という表記が一般的であるが、本邦でレーザー脱毛という呼称が広く普及していることを考慮し、今回の診療指針においては用語としてレーザー脱毛で統一して表記する
「毛を無くす」ではなく「毛を減らす」というのが、国際的にはより正確な言い方だということです。
理由は仕組みにあります。レーザーが狙うのは毛の中のメラニンで、レーザー光がメラニンに達すると毛は100℃以上に上昇して気化し、その熱が周囲に伝わって毛包が壊死・熱凝固します。メラニンが無ければ、この連鎖は始まりません。
指針は結論をひと言で書いています。
このため、白髪や金髪に対するレーザー脱毛の効果はほとんどない
白髪への対応はニードル脱毛(電気脱毛)へ。回数の考え方は「脱毛率◯%」は、いつ測ったかで変わるにまとめました。
カウンセリングで聞くこと
- 機種名は何か(商品名ではなく、正式な機種名で)
- 国内で承認された機器か
- 方式は何か(アレキサンドライト/ダイオード/Nd:YAG/蓄熱式)
- 自分の肌の色・毛質にはどれが向くか
- 部位によって機器を変えるか(鼻下は蓄熱式が苦手とされます)
2番目に答えられないクリニックは、その時点で判断材料が1つ増えます。 未承認機器なら明示の義務がある以上、答えられるはずの質問です。
施術のリスクと副作用
ヒゲ脱毛を含む医療脱毛は自由診療で、公的医療保険は適用されず全額自己負担です。
主なリスク
- 承認機器を使っていても、施術の結果や安全が保証されるものではありません
- レーザーは毛のメラニンに反応するため、白髪や色の薄い毛にはほとんど効果がありません
- 一度破壊された毛根は元に戻せません
- 日焼けした肌や色素の濃い部位では、やけどが生じるリスクが高まります
- 硬毛化・増毛化が起こることがあります
- 回数を重ねても、毛が完全になくなることが保証されるものではありません
主な副作用
- 照射時の痛み
- 照射直後の赤み・ほてり・むくみ
- 毛のう炎
- 施術部位の乾燥・かゆみ
症状の程度や頻度には個人差があります。実際に受けられるかどうかは、医師の診察を受けたうえで判断してください。
まとめ
- 指針は2021年10月時点の承認機種を8つ実名で挙げており、いずれもアレキサンドライト・ダイオード・Nd:YAGのいずれか
- リストにない機種でも、その後に承認されたものがあるため未承認とは限らない
- 未承認機器を使う場合はクリニックに明示義務があり、5項目の記載が求められる
- 薬事承認と保険適用は別。承認機器でも医療脱毛は自由診療
- エステサロンや家庭用の機器は、指針によればほとんどがIPL
- 欧米では「脱毛」ではなく「減毛(hair reduction)」という表記が一般的
- レーザーはメラニンに反応するため、白髪や金髪にはほとんど効果がない
出典
- 日本美容外科学会ほか関連5学会「美容医療診療指針(令和3年度改訂版)」第5章 脱毛治療(2026-09-06確認)
- 厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」令和8年3月30日最終改正(2026-09-06確認)
この記事の作られ方
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