ほくろ・タトゥー・傷跡があると照射できないのはなぜか
カウンセリングで「ここは避けますね」と言われて、理由がわからないまま進むことがあります。
理屈は一貫しています。レーザーは黒い色素に反応する。それだけです。ここを理解すると、避ける理由も、申告すべきことも、全部つながります。
レーザーは「毛」ではなく「黒」に反応する
医療脱毛のレーザーが狙っているのは毛の黒い色素(メラニン)です。ゴリラクリニックの公式サイトも、ネオジウムヤグレーザー(波長1064nm)がメラニンに反応する仕組みだと説明しています。
ここで重要なのは、レーザーは「これは毛だ」「これはほくろだ」と区別していないという点です。黒ければ反応します。
国民生活センターの資料に寄せられた医師の解説も、脱毛は皮膚の内部にやけどを起こす施術だとしたうえで、医師が肌の色や肌質から出力や照射時間を判断していると説明しています。
3学会の「美容医療診療指針(令和3年度改訂版)」も、脱毛効果やリスクに関わる要素として毛の太さや色調・皮膚の色調(Fitzpatrickのスキンタイプ)を挙げています。
だから、これらは避けられる
ほくろ
黒色素が集中しているため、そこに熱が集中します。やけどのリスクが高く、通常は保護シールで覆うなどして避けます。数が多い部位では、照射範囲が細かく制限されることがあります。
タトゥー(刺青)
色素が皮膚の深い層に入っているため、強い熱が発生します。やけどのリスクが高く、その部位は照射しないという判断が一般的です。タトゥーの色や範囲によって扱いが変わるので、契約前に必ず申告してください。「照射できない範囲が広いと、その分の料金が実質的に無駄になる」という金銭的な問題にも直結します。
傷跡・ケロイド
皮膚の状態が周囲と異なるため、熱の伝わり方が変わります。医師の判断で避ける、または出力を下げる対応になります。
濃い色素沈着・アザ
ほくろと同じ理屈です。
日焼けも、実は同じ話
当サイトが日焼けと脱毛で書いてきた内容も、根は同じです。
日焼けした肌は肌側のメラニンが増えている状態なので、レーザーの熱が肌にも集まります。だからやけどのリスクが上がり、照射を見送る判断になります。
つまり——
ほくろ・タトゥー・日焼け・もともと肌の色が濃い
これらはすべて「肌側に黒い色素がある」という同じ問題の別の形です。理屈が1つなら、対策も1つ。照射前に医師が把握していること、これに尽きます。
機械によって条件が変わる場合がある
診療指針は、Nd:YAGレーザーについてスキンタイプによらず脱毛に有効としています。波長が長く、肌のメラニンの影響を受けにくいとされるためです。
したがって、肌の色が濃い・日焼けしやすいという条件があるなら、どの機械を使うかが選択に関わってきます。機器ごとの推奨度は脱毛の機械は何が違うのかにまとめました。
ただし判断するのは医師です。「YAGなら大丈夫」と自分で決めず、条件を伝えて相談してください。
申告しないと損をする
隠しても得はありません。理由は3つあります。
① 安全のため。 やけどのリスクは自分に返ってきます
② 料金のため。 照射できない範囲が広いなら、その部位を含まないプランを選ぶほうが合理的です。範囲の決め方はヒゲの「3部位」は院ごとに違うへ
③ 当日のため。 当日に発覚すると、その部位を飛ばして照射することになり、回数だけ消費します
タトゥーは特に、契約前に伝えるかどうかで話が変わります。
服薬の申告も同じ枠
色素の話とは別ですが、申告が必要という点で同じ扱いになるものがあります。
- 光に反応しやすくなる薬を服用している場合
- 持病がある場合
- てんかんの既往がある場合
- 妊娠の可能性(パートナーではなく本人が対象の話ではありませんが、家族に妊娠中の方がいる場合はAGA薬の取り扱いに関わります → AGA治療の副作用)
いずれも受けられなくなるための申告ではなく、安全に受けるための申告です。医師が出力や部位を調整する材料になります。
カウンセリングで見せて、聞く
言葉で説明するより、実際に見てもらうのが早いです。
- ほくろ・傷跡・タトゥーのある部位をその場で見せる
- 避ける範囲がどのくらいになるかを確認する
- 避けた部位について、料金の扱い(減額されるか、そのままか)を聞く
- 保護シールなどの対応があるか聞く
- 肌の色や日焼けしやすさを伝え、機械の選択を相談する
3番目は聞き逃されがちですが、金額に直結します。カウンセリングの確認項目はカウンセリングで確認することに整理しています。
施術のリスクと副作用
医療脱毛は自由診療で、公的医療保険は適用されず全額自己負担です。
主なリスク
- レーザーは黒い色素に反応するため、ほくろ・タトゥー・色素沈着のある部位ではやけどのリスクが高まります
- 日焼けした肌や、もともと色素の濃い肌でも同様にリスクが高まります
- 照射できない部位があると、その範囲の効果は得られません
- 一度破壊された毛根は元に戻せません
- 硬毛化・増毛化が起こることがあります
- 回数を重ねても、毛が完全になくなることが保証されるものではありません
主な副作用
- 照射時の痛み
- 照射直後の赤み・ほてり・むくみ
- 毛のう炎
- 施術部位の乾燥・かゆみ
症状の程度や頻度には個人差があります。実際に受けられるかどうかは、医師の診察を受けたうえで判断してください。
まとめ
- レーザーは「毛」ではなく「黒い色素」に反応する。ほくろとタトゥーはそこに当たる
- ほくろは保護して避け、タトゥーはその部位を照射しない判断が一般的
- 日焼け・肌の色が濃い場合も、根は同じ「肌側に色素がある」問題
- 診療指針はNd:YAGをスキンタイプによらず有効としており、機械の選択が関わる場合がある
- 申告は受けられなくなるためではなく、安全に受けるため。当日発覚だと回数だけ消費する
- 避ける範囲の広さは料金の扱いにも影響する。契約前に確認する
出典
- 日本皮膚科学会・日本形成外科学会・日本美容皮膚科学会「美容医療診療指針(令和3年度改訂版)」令和3年度厚生労働科学研究補助金(2026-09-05確認)
- 国民生活センター「なくならない脱毛施術による危害」2017年5月11日(2026-09-05確認)
- ゴリラクリニック ヒゲ脱毛ページ(レーザーの波長・メラニンへの反応の記載)(2026-09-05確認)
この記事の作られ方
この記事は医師の監修を受けていません。医療行為の推奨ではなく、厚生労働省・消費者庁・国民生活センター・学会の診療ガイドライン、 および各クリニックが公表している情報を整理したものです。
記載の根拠は記事末の出典に、確認日とあわせて示しています。 効果・副作用・適応の判断は個人差が大きく、記事の情報で代替できるものではありません。 治療の可否は必ず医師の診察を受けたうえで判断してください。
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