AGA治療の副作用|受診前に医師へ伝えておくこと
AGA治療で使われる薬には、それぞれ報告されている副作用があります。この記事では薬ごとに整理し、あわせて受診の前に医師へ伝えておくべきことをまとめます。
なお当サイトは医療機関ではありません。以下は公表されている情報の整理であり、個別の判断は必ず医師の診察を受けてください。
内服薬(フィナステリド・デュタステリド)
どちらも5α還元酵素を阻害し、抜け毛の進行を抑える薬です。日本皮膚科学会の診療ガイドラインでは、男性型脱毛症に対していずれも推奨度A(行うよう強く勧める)とされています。
報告されている副作用として、次のようなものが挙げられます。
- 性機能に関するもの(性欲減退、勃起機能の低下、射精障害)
- 肝機能値の異常
いずれも頻度は高くないとされますが、気になる症状が出たら自己判断で中止せず、処方した医師に相談してください。成分の変更や用量の見直しといった選択肢が残っている場合があります。
PSA検査を受ける予定がある人は必ず伝える
見落とされやすい重要な点です。フィナステリドを服用していると、PSA値(前立腺がんの腫瘍マーカー)が低下します。
これは病気が良くなったという意味ではなく、検査結果の解釈に影響が出るということです。実際の値より低く出るため、そのまま読むと異常を見逃す可能性があります。
健康診断や人間ドックで前立腺の検査を受けるとき、泌尿器科を受診するときは、AGAの薬を服用していることを必ず伝えてください。これは副作用というより、検査を正しく評価してもらうために必要な情報です。
年齢と性別の制限
- 20歳未満 … 国内の臨床試験は20歳以上の男性を対象に行われたため、20歳未満に対する安全性は確立していません
- 女性 … 診療ガイドラインでは女性型脱毛症に対して推奨度D(行うべきではない)とされています
- 小児 … 服用できません
家族に女性がいる場合
妊娠中の女性は、割れた錠剤や砕けた錠剤に触れることも避ける必要があります。皮膚から吸収される可能性があるためです。
錠剤の保管場所には注意してください。ピルケースに移し替えて共用の場所に置く、といった扱いは避けたほうが安全です。
外用薬(ミノキシジル外用)
推奨度Aで、発毛を促すことを目的とします。診療ガイドラインが挙げている有害事象は次のとおりです。
- 瘙痒(かゆみ)
- 紅斑
- 落屑(皮膚がはがれる)
- 毛包炎
- 接触皮膚炎
- 顔面の多毛
濃度が高いほど皮膚症状の出現率が高くなる傾向が、複数の比較試験で示されています。
初期脱毛について
ガイドラインは、男女ともにミノキシジル外用の初期に休止期脱毛がみられることがあると記しています。いわゆる初期脱毛です。
そのうえで、これが外用の中止につながるおそれがあるため患者への説明が必要であると明記しています。つまり、事前に説明されているべきことです。カウンセリングで触れられなかった場合は、こちらから確認してください。
内服のミノキシジルは推奨されていない
クリニックの「発毛プラン」に含まれることがあるミノキシジルの内服薬については、診療ガイドラインの評価が大きく異なります。
推奨度はD(行うべきではない)。理由として、ガイドラインは次を挙げています。
- 内服の有用性に関して臨床試験は実施されていない
- ミノキシジルは降圧剤として開発されたが、日本では降圧剤としても認可されていない
- 男性型脱毛症の治療薬として認可している国はない
副作用としては、内服用製剤の添付文書の市販後調査欄に、胸痛・心拍数増加・動悸・息切れ・呼吸困難・うっ血性心不全・むくみ・体重増加といった重大な心血管系障害が生じるとの記載があるとしています。
ガイドラインの結論は「利益と危険性が十分に検証されていないため、男性型脱毛症・女性型脱毛症ともに行わないよう強く勧められる」です。
入手経路は医師の個人輸入または輸入代理店経由となり、諸外国においても発毛目的の内服薬として承認している国はありません。国内で発毛効果について承認されているミノキシジル製剤は外用薬のみです。
また国内未承認の医薬品で健康被害が生じた場合、医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
受診前に整理しておくこと
カウンセリングや診察で伝えると、判断がスムーズになります。
- 現在服用している薬・サプリメント(すべて)
- 過去に薬でアレルギーや副作用が出たことがあるか
- 肝臓の病気を指摘されたことがあるか
- 前立腺の検査を受ける予定があるか、指摘を受けたことがあるか
- 家族に妊娠中・妊娠の可能性のある人がいるか
- 年齢(20歳未満の場合は特に)
治療のリスクと副作用
AGA治療は自由診療で、公的医療保険は適用されず全額自己負担です。
主なリスク
- 治療は進行を抑えることが目的で、中止すると効果は消失します
- 効果の判定に6か月程度かかります
- フィナステリドの服用によりPSA値が低下し、検査結果の解釈に影響します
- フィナステリドは20歳未満に対する国内での安全性が確立していません
- 国内未承認薬を使用した場合、医薬品副作用被害救済制度の対象外となります
主な副作用
- 性機能に関するもの(性欲減退、勃起機能の低下、射精障害)
- 肝機能値の異常
- ミノキシジル外用による瘙痒・紅斑・落屑・毛包炎・接触皮膚炎・顔面の多毛
- ミノキシジル外用の初期にみられる休止期脱毛(初期脱毛)
- 内服ミノキシジルによる胸痛・心拍数増加・動悸・息切れ・呼吸困難・うっ血性心不全・むくみ・体重増加
症状の程度や頻度には個人差があります。服用の可否は必ず医師の診察を受けたうえで判断してください。
まとめ
- 内服薬の副作用として、性機能に関するものと肝機能値の異常が報告されている
- フィナステリドはPSA値を低下させる。前立腺の検査を受けるときは必ず申告する
- 20歳未満、女性、小児には推奨されない。妊娠中の女性は割れた錠剤にも触れない
- ミノキシジル外用の初期脱毛は、事前に説明されているべき事項とされている
- 内服ミノキシジルは推奨度D。重大な心血管系障害の記載があり、救済制度の対象外
- 気になる症状が出たら自己判断で中止せず、処方した医師に相談する
出典
- 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」(2026-08-18確認)
- 厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」令和8年3月30日最終改正(2026-08-18確認)
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